ワーケーションは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語で、テレワーク等を活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間を過ごすことです。
従業員個人で実施するパターン(旅先での一部日程を就業日とすることで、滞在日数を増やす等)のほか、企業として地域課題解決や社員同士のチームビルディング等を目的として実施する等、様々な実施形態があります。
働く場所を問わない柔軟な働き方のひとつとしての認知度を増しつつあるワーケーションは、実施者側(企業や従業員等)、受け入れ側(地方自治体等)の双方に多くのメリットがあり、その推進に期待が寄せられています。
【企業のメリット】
- 優秀な人材の確保
就業先の選定条件として、柔軟な働き方の導入状況を重視する傾向は今後も強まっていきます。ワーケーションなど、多様な働き方を認めることで、企業イメージが向上し、優秀な人材の採用につながります。
- 従業員のエンゲージメント向上
従業員のワークライフバランスに配慮した就業環境の実現により、従業員のエンゲージメントが向上し、離職率の低下に結びつきます。
- 有給休暇取得率の向上
旅先でも就業日を設けられれば、仕事への影響を最小限にしながら、旅先で長期滞在がしやすくなります。仕事に影響が出にくいため、周囲にも気兼ねなく有給休暇を取りやすくなります。
- 創造性等の向上
普段と異なる環境や出会い等により、従業員の創造性が刺激され、新たな発想やアイデアを得ることが期待できます。従業員同士のチームビルディング等を目的としたワーケーション研修・合宿も効果的です。
【従業員のメリット】
- 長期休暇をとりやすい
就業日を間に挟むことで、仕事への影響を抑えながら、長期休暇を取りやすくなります。遠方での滞在や、子どもの学校の長期休み期間の有効活用等も可能となり、休暇の過ごし方の選択肢が大きく広がります。
- ワークライフバランスの改善
忙しい日常から離れてリフレッシュしつつも、仕事を続けることができるため、仕事と休暇の調和が取れます。ストレスの軽減や、仕事へのモチベーション向上にもつながります。
【地方自治体のメリット】
- 関係人口の増加
地域への来訪者が増えるほか、単なる観光で訪れる人よりも長期滞在(もしくは繰り返しの訪問)することで、地域の良さをより深く理解し、愛着を持ってもらうことが可能になります。ワーケーションの実施内容によっては、都市圏企業が地域の人や企業等との関わりを持つ機会の創出にもつながります。
- オフィス移転や移住検討のきっかけとして
1により、地方移転や移住のニーズが生まれた際には移転・移住先として選ばれる可能性が高まります。
- 地域課題の解決
ワーケーションをきっかけに、都市圏企業との関係構築を進めることができれば、それら企業の力を借りながら、地域課題の解決に取り組むことも可能となります。
- 平日の観光需要増
ワーケーションであれば平日の地方滞在も可能となるため、閑散日の観光需要拡大のメリットもあります。
ワーケーションの実施を社内で推奨する際には、以下のポイントに注意が必要です。
【従業員個人の実施を推奨する場合】
- ワーケーションのルール作り
自社のワーケーション運用方針を明確にしたうえで、既存の規程・ルールを確認します。特に就業場所や勤務管理、セキュリティ対策等についてチェックし、不足がある場合は見直しを行います。また、ワーケーション中の就業日・就業時間はあらかじめ職場のメンバーと共有する等、円滑な業務運営のためのルールも併せて設けましょう。
- ワーケーション推奨方針の社内周知
新たな働き方の導入推進には、特に管理者層の理解が欠かせません。実施推奨が会社の方針であることを明示するほか、社内事例の発信等もワーケーションを実施しやすい雰囲気づくりに効果的です。
【ワーケーション合宿・研修等の実施】
- 滞在先のワーク環境(インターネット接続等)の確認
ワーケーション先で通常業務にあたる時間を確保するなら、セキュリティに配慮したインターネット接続環境の確保が必須です。ウェブ会議の活用頻度が多い場合は、個室など通話用スペースの有無も確認すると良いでしょう。
各地域でワーケーション受け入れが可能なサテライトオフィス施設の整備も進んでいますので、それらの活用もおすすめです。
- 食事やアクティビティ
日常と異なる環境での実施メリットを最大限活かすには、現地の美食や観光、アクテビティを楽しむ企画や情報提供も重要です。地域によっては、都市圏と違って、食事や各種サービスの利用可能時間等が限定的な場合もありますので、事前にしっかり情報収集しておきましょう。
以下の記事では実際のワーケーションの様子をご紹介しています。企画の具体的なポイントや実際のスケジュール表等を紹介しています。
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テレワーク屋のワーケーション、企画内容&スケジュールを公開!(田澤由利のnoteより)
企業目線の『ワーケーション』報告。こだわりポイントを全公開(田澤由利のnoteより)
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『テレワーク合宿 in 北見 2022 』(田澤由利noteから)
2022年秋、様々な企業の社員が集まった「テレワーク合宿in北見」。「参加してよかった100%」の合宿の内容を詳しくご紹介しています。
参加企業:株式会社イオンファンタジー、株式会社イトーキ、サイボウズ株式会社、日本航空株式会社、株式会社マクアケ、株式会社メルカリ、株式会社リコー、社会保険労務士法人NSR、他1社